公開日時:2026年8月4日 最終更新日:2026/08/03
マタニティマークの意味と正しい使い方

電車のつり革や駅のポスターなどで見かけたことがある方も多い「マタニティマーク」。ピンク色のハート型のデザインに、赤ちゃんを見守るお母さんのシルエットが描かれたマークです。
「もらったけれど、いつから使えばいいの?」「つけていて逆に嫌な思いをしないか不安」という声を聞くこともあります。今回は、マタニティマークの意味や入手方法、正しい使い方について詳しくご紹介します。
マタニティマークとは

マタニティマークは、外見からは妊娠していることが分かりにくい妊娠初期の方でも、周囲に配慮をお願いしやすくするために、厚生労働省が2006年に策定したデザインです。もともとは電車内で優先席を譲ってもらいやすくすることを目的として作られましたが、現在では交通機関に限らず、さまざまな場面で活用されています。
例えば、以下のような場面で自分の状態を周囲にさりげなく伝える役割を果たしてくれます。
- 満員電車やバスの中で、席を譲ってほしいことを伝える
- 職場や外出先で、無理な作業やアルコールを勧められることを避ける
- 災害時など、緊急時に周囲へ配慮を求める
マタニティマークの入手方法

マタニティマークは、いくつかの方法で入手することができます。
- 1. 母子健康手帳交付時にもらう:多くの自治体では、母子健康手帳と一緒にマタニティマークのキーホルダーやシールを配布しています
- 2. 鉄道会社の窓口でもらう:JRや私鉄各社の駅窓口などで配布されている場合があります(在庫状況は駅によって異なります)
- 3. 自分で作る・購入する:手芸店やネット通販でマタニティマークのグッズが販売されています。手作りのワッペンをバッグにつける方もいます
自治体や交通機関によって配布状況は異なるため、詳しくはお住まいの自治体や利用する交通機関の公式サイトなどで確認してみてください。
マタニティマークはいつから使い始める?

「安定期に入ってから」という決まりがあるわけではなく、いつから使うかは基本的に本人の判断に委ねられています。つわりの症状がつらい妊娠初期は、お腹が目立たない分、周囲から妊娠していると気づいてもらいにくい時期でもあります。
「まだお腹が目立たないから恥ずかしい」と感じる方もいるかもしれませんが、体調が不安定になりやすい初期こそ、マタニティマークを活用するメリットが大きいとも言えます。無理のないタイミングで、ご自身が必要だと感じたときに使い始めてみるとよいでしょう。
マタニティマークの正しい使い方

マタニティマークを効果的に活用するためのポイントをいくつかご紹介します。
見える位置につける
バッグの持ち手やファスナー部分など、周囲から見えやすい位置につけるのがおすすめです。カバンの中に入れたままでは、周りの人に気づいてもらうことができません。
交通機関を利用する際に意識する
優先席付近に立つときや、体調が優れないときは、マタニティマークが見えるように意識してみましょう。声を出しづらい状況でも、マークを見せることで周囲に配慮をお願いしやすくなります。
職場でも活用できる
上司や同僚に妊娠を伝えるタイミングで、マタニティマークをつけることも一つの選択肢です。周囲に「配慮が必要な時期であること」をさりげなく伝えるきっかけになります。
マタニティマークを見かけたら

反対に、マタニティマークをつけている方を見かけたときは、可能な範囲で席を譲ったり、荷物が多そうであれば手を貸したりするなど、さりげない配慮を意識してみてください。
無理に声をかける必要はありませんが、「大丈夫ですか」と一声かけるだけでも、相手にとっては心強く感じられることがあります。妊娠中は体調の変化が激しく、周囲からは分かりにくい不調を抱えていることも少なくありません。
マタニティマークにまつわる不安の声について

一方で、マタニティマークをつけていることで、心無い言葉をかけられたという声が聞かれることもあります。こうした経験から、マタニティマークをつけることに抵抗を感じる方がいるのも事実です。
もし不安な場合は、常に見える位置につけるのではなく、体調が悪いときや席を譲ってほしいときだけ、バッグから取り出して見せるという使い方でも問題ありません。マタニティマークの使い方に「絶対のルール」はなく、ご自身が安心できる形で活用することが大切です。
パパやパートナーの理解も大切に

マタニティマークは妊娠している本人だけでなく、パートナーが一緒に外出する際にも役立ちます。パートナーがマタニティマークを見せながら「席を譲っていただけますか」と声をかけることで、妊娠中の方本人が声を出しにくい状況でもサポートすることができます。
日頃から夫婦でマタニティマークの意味や使い方について話し合っておくと、いざというときにスムーズに助け合うことができるでしょう。
産後も活用できる「子育て支援マーク」もある

自治体によっては、妊娠中だけでなく、乳幼児を連れて外出する際に使える「子育て支援マーク」のような取り組みを行っているところもあります。マタニティマークを卒業した後も、赤ちゃんとのお出かけで周囲の配慮を得やすくする工夫として、こうした取り組みを調べてみるのもよいかもしれません。
マタニティマークグッズの種類

マタニティマークにはさまざまな形状のグッズがあり、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
- キーホルダータイプ:バッグの持ち手やファスナーに取り付けやすく、最も一般的な形状です
- ストラップタイプ:定期入れやスマートフォンにつけられるものもあります/li>
- 缶バッジ・ピンバッジタイプ:上着やバッグに直接留められ、コンパクトなのが特徴です/li>
- シールタイプ:母子健康手帳のケースなどに貼って使う方もいます/li>
複数のタイプを持っておき、その日の服装や荷物に合わせて使い分けている方もいます。デザインもハートの基本形以外に、キャラクターとのコラボレーションなど、さまざまなものが展開されているため、お気に入りのデザインを探してみるのも楽しみのひとつです。
妊娠後期・臨月での活用

お腹が大きくなる妊娠後期や臨月は、外見からも妊娠していることが分かりやすくなるため、「もうマタニティマークは必要ないのでは」と感じる方もいるかもしれません。しかし、この時期は体力的な負担が最も大きくなる時期でもあり、立っているだけでもつらいと感じることがあります。
臨月であっても、マタニティマークを引き続きつけておくことで、周囲からの配慮を得やすくなるというメリットは変わりません。また、外見だけでは「出産予定日が近いのか、まだ余裕があるのか」までは分からないため、マークを通じて状況を伝える意味でも活用を続けるとよいでしょう。
万が一、心無い対応をされたときは

残念ながら、マタニティマークをつけていても、席を譲ってもらえなかったり、時には否定的な言葉をかけられたりする経験をする方もいます。そうした経験は決して珍しいことではなく、多くの方が似たような戸惑いを感じています。
もしそうした経験をして落ち込んでしまったときは、一人で抱え込まず、パートナーや友人、地域の子育て相談窓口などに気持ちを話してみることをおすすめします。すべての人が配慮を持って接してくれるわけではないという現実がある一方で、さりげなく手を差し伸べてくれる方も多くいることを忘れないでいただきたいと思います。
体調がすぐれないときの対処法

マタニティマークをつけていても、周囲がすぐに気づいてくれるとは限りません。電車内で急に気分が悪くなったときは、以下のような対応も知っておくと安心です。
- 無理をせず、近くの駅で一旦下車して休憩する
- 近くにいる駅員や乗務員に声をかけ、状況を伝える
- 座れる場所がない場合は、つり革やドア付近の手すりにつかまり、無理な姿勢を避ける
体調に不安がある日は、混雑する時間帯を避けて移動したり、可能であればタクシーなど別の移動手段を選んだりすることも検討してみてください。
母子健康手帳と一緒に大切に保管しておこう

マタニティマークは、母子健康手帳と同じように、妊娠期間を通じて身近に置いておきたいアイテムです。母子健康手帳のケースに一緒に入れておく、普段使いのバッグに常備しておくなど、なくしにくい工夫をしておくと安心です。
万が一なくしてしまった場合でも、多くの自治体窓口や一部の駅などで再度入手できることがあります。困ったときは、お住まいの自治体の子育て支援窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
海外にも似たような取り組みがある

日本のマタニティマークのような取り組みは、海外でも見られます。国や地域によって呼び名やデザインは異なりますが、「妊娠中であることを周囲に伝え、配慮を求める」という基本的な考え方は共通しています。海外旅行や出張の予定がある妊娠中の方は、訪問先の国でどのような制度や慣習があるか、事前に調べておくと安心です。
職場でのマタニティマーク活用のコツ

働きながら妊娠期を過ごす方にとって、職場でのちょっとした配慮も大きな支えになります。デスクにマタニティマークのグッズをさりげなく置いておいたり、名札やIDカードのストラップにつけたりすることで、周囲の同僚にも自然と気づいてもらいやすくなります。
体調が悪いときにすぐ言い出しづらいと感じる方も、マタニティマークがあることで「無理をせず伝えていいんだ」という気持ちの後押しになることもあります。
まとめ

マタニティマークは、外見からは分かりにくい妊娠初期から活用できる、周囲への配慮をお願いするための大切なアイテムです。使い始めるタイミングやつける位置に明確な決まりはなく、ご自身が安心できる形で取り入れることが何より大切です。
不安な気持ちがある場合は無理につける必要はありませんが、体調が優れないときや助けが必要なときには、ぜひ活用してみてください。周囲の方も、マタニティマークを見かけたときはさりげない配慮を心がけられるとよいですね。
提供:株式会社SANSHIN
















