公開日時:2022年6月28日
赤ちゃんの頭皮の乾燥が心配!フケやカサカサなど頭皮トラブルの原因や対策
新生児やまだ髪の毛が生え揃っておらず薄い状態の赤ちゃんの頭皮は一目で頭皮のカサカサやフケといった状態がわかるケースが多くあります。
目に見えて頭皮の状態の異変がわかるため、ご両親も頭皮のトラブルが心配になりますよね。
ここでは赤ちゃんの頭皮の乾燥をはじめ、頭皮トラブルの症状や原因、対策についてご紹介します。
赤ちゃんの頭皮にこんな症状が見られたら頭皮トラブルかも!?
赤ちゃんの頭皮によく表れる症状にはどのようなものがあるでしょうか?
主に下記の2つの症状があります。
①黄色いかさぶたやうろこのようなフケと匂い
赤ちゃんの頭皮に白や黄色がかった瘡蓋(かさぶた)や鱗(うろこ)状のフケのような症状が見られるケースがあります。
また同時に頭皮のニオイが気になる場合は「乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)」が考えられます。
乳児脂漏性湿疹
生後間もない時期から3ヶ月間ほどの期間に赤ちゃんによく見られる症状で「乳児湿疹」の一種です。
見た目から心配されるかもしれませんが、基本的には痛みや痒みはありません。(※稀にマラセチア真菌によって脂漏性皮膚炎が起こるケースがあり、その場合は痒みが生じることがあります。)
頭皮だけに限らず「額・おでこ」や「眉(まゆ)」、「耳周り」に症状が表れやすいです。
乳児脂漏性湿疹の症状・原因・対策法について詳しくは下記の記事をご参照ください。
②見た目のカサつきとパラパラとした白い粉のようなフケ
一方で頭皮がカサカサしており、皮膚や髪の毛などにポロポロと白いフケのようなものが見られるケースも多いです。
この場合は頭皮の乾燥が考えられます。
頭皮乾燥
白いフケ様なものは乾燥によって皮膚が剥がれ落ちてしまっている状態です。
生後3ヶ月以降の赤ちゃんに多く見られる症状で皮膚の乾燥による痒みが生じる場合もあります。
では、赤ちゃんの頭皮に乳児脂漏性湿疹や乾燥が起こる原因は何でしょうか?
赤ちゃんの頭皮にフケやカサカサが起こる原因は?
赤ちゃんの頭皮が乾燥してカサカサになってフケが出たり、黄色いかさぶたのようなものができる理由としては下記のような「赤ちゃん自身が持つお肌の特徴」と「外部からもたらされる要因」の2つに分けられます。
赤ちゃんならではのお肌の特徴
生後間もない赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいた頃のホルモンの影響が残っており皮脂の分泌が多くなりがちです。
特に頭皮は皮脂腺が多いため、皮脂分泌が多いとされる額(おでこ)よりもさらに皮脂分泌が多く、おでこの約2倍の皮脂量とも言われています。
皮脂分泌が落ち着いてくるのが大体生後3ヶ月頃であるため、生後3ヶ月頃までは皮脂分泌が多く脂漏性湿疹が起こりやすく、3ヶ月以降は皮脂分泌が少なくなるため皮脂が不足しやすく頭皮乾燥が起こりやすくなります。
わかりやすくいうと生まれてから3ヶ月間で赤ちゃんは大人でいうところの脂性肌から乾燥肌に肌質が変化していくわけです。
洗い過ぎや洗浄力が強過ぎる
赤ちゃんの沐浴や入浴時にベビーソープやベビーシャンプーを使って頭皮を洗ってあげますが、その際の洗い過ぎ(回数)やベビーソープやベビーシャンプーに用いられている洗浄成分の洗浄力が強いことが原因で必要以上に頭皮の皮脂が洗い流され乾燥につながる場合があります。
このような赤ちゃんのお肌の特徴や乾燥につながる外的要因による頭皮トラブルから守ってあげるにはどのような対策を行えば良いのでしょうか?
赤ちゃんを頭皮トラブルから守るには?予防や対策について
頭皮の乾燥などの頭皮トラブルの対策は予防と症状が出てからの対処の2つに分けられます。
それぞれの対策について見ていきましょう。
①赤ちゃんの頭皮トラブルの予防方法
原因があってこそ頭皮トラブルは起こります。
一番の予防策は原因を取り除くことです。
原因は先ほどご紹介したとおり、
- 赤ちゃんのお肌の特徴(過剰な皮脂や乾燥)
- 洗い過ぎや強い洗浄力による皮脂不足による乾燥
があり、これら原因となる過剰な皮脂や乾燥から頭皮を守ってあげることが予防につながります。
主な予防対策は下記の3つとなります。
ベビーソープ・ベビーシャンプーを見直す
赤ちゃんの頭皮乾燥の原因としてベビーソープやベビーシャンプーの洗浄力が強過ぎることがあるとご紹介しました。
ベビーソープやベビーシャンプーの洗浄力を左右するのは洗浄成分です。
洗浄成分は界面活性剤というものであり、水と油という本来は混ざり合わないような物質の境目を界面と呼び、界面に作用することで水と油を混ぜ合わせるという性質を持ちます。
頭皮は皮脂分泌が多く、皮脂は油の一種であり、一定温度以上のお湯には溶け出しますが、皮脂汚れは水・お湯だけでは綺麗に洗い流すことは難しいため、界面活性剤が含まれたベビーソープやベビーシャンプーによって皮脂汚れに界面活性剤が付着し水やお湯で洗い流すことができるようになります。
このような仕組みで皮脂汚れを洗浄するわけですが、界面活性剤の種類によって洗浄力が異なります。
界面活性剤にはたくさんの種類があり、陽イオンや陰イオンといったイオンの種類での分類やアミノ酸系などの〇〇系といった分類などに分けられますが、
ベビーソープやベビーシャンプーといった赤ちゃんに使用する場合はアミノ酸系やベタイン系の界面活性剤がメインとなっているものを使用することで強過ぎない洗浄力で潤いを守りながら洗うことができます。
ベビーソープやベビーシャンプーは1種類の界面活性剤で作られているわけではなく、複数の界面活性剤が使われていますので、お使いのベビーソープやベビーシャンプーの成分をチェックし、必要に応じて見直してみましょう。
[関連記事]
》界面活性剤とは?種類や特徴について
適切な洗い方で行う
新生児期は特に頭皮の皮脂分泌も多い時期ですが、沐浴時に赤ちゃんへの負担を心配し、頭をしっかりと洗えていないことがあります。
皮脂はお湯でも多少は落ちますが、過剰な皮脂を洗い流すにはしっかりとベビーソープやベビーシャンプーを使って洗ってあげることが大切です。
皮脂汚れが残っていると乳児脂漏性湿疹だけでなく新生児ニキビなどの皮脂が原因となる肌トラブルにつながりますので、頭皮もやさしく丁寧にベビーソープなどのベビー用の洗浄料を使って洗ってあげましょう。
頭皮に潤いを与える
基本的に赤ちゃんのお肌は皮脂が少なければ乾燥しやすいお肌です。
そのため、頭皮の乾燥が気になる場合はしっかりと保湿ケアをしてあげましょう。
保湿といっても大きく2つの役割があり、
一つは「うるおいを与えること」、もう一つは「お肌の表面を油分で覆って潤いを閉じ込めること」です。
目に見えて頭皮がカサカサで乾燥している場合は潤いだけでなく油分の補給も必要です。
一方で皮脂が多い場合は化粧水タイプのような潤いを補うための保湿ケアをしてあげましょう。
②今ある症状についての対策
スキンケアというのは肌トラブルが起こらないようにするための予防の意味で行うことが基本となりますが、すでに乳児脂漏性湿疹やカサカサ乾燥頭皮などの症状が出ている場合には治療が必要となります。
ここでは乳児脂漏性湿疹や頭皮の乾燥といった症状が表れてしまった場合の対処法についてご紹介します。
乳児脂漏性湿疹の対処法
乳児脂漏性湿疹の症状が表れた場合、まずは掛かりつけ医を受診することです。
炎症などの症状を治すのは治療であり、治療に用いるのは薬となり、化粧品ではありません。
小児科や皮膚科を受診し薬などを処方してもらってください。
乳児脂漏性湿疹の症状の一つである黄色がかった瘡蓋(かさぶた)のようなものをご家庭で洗う際の注意点は無理に剥がさないことです。
かさぶた部分を洗う際には沐浴・入浴前に予めベビーオイルやオリーブオイルなどのオイルを塗り込み、カサブタに馴染ませてふやけさせます。
乳児脂漏性湿疹のカサブタには皮脂が含まれているため、油は油に溶ける性質を利用します。
十分に馴染ませた後、沐浴・入浴時にしっかりとベビーソープやベビーシャンプーなどを使って洗ってあげましょう。
その際にかさぶたが取れなくても無理に剥がす必要はありません。
医師からの指示に従うことが最も大切です。
頭皮乾燥
頭皮のカサカサ乾燥肌は皮脂不足によりお肌の潤いが奪われているため、潤いと油分を補うケアが必要となります。
予防としてのスキンケアよりも少し油分重視の保湿ケアでも大丈夫です。
ベビー用の保湿ケア商品の中で最も潤いと油分をバランスよく補えるのは乳液タイプのベビーローションです。
ベビーローションでの保湿ケアをベースにし、保湿力が足りないと感じた場合はベビーオイルを重ね塗りしたり、より油分の多いベビークリームなどに変更されると良いでしょう。
赤ちゃんの頭皮トラブルについてのまとめ
赤ちゃんの頭皮トラブルは一目でわかるような目立つ症状が多いです。乾燥によるフケなのか、それとも乳児脂漏性湿疹の症状なのか、トラブルの内容によって対処法は変わってきます。
乾燥肌であれば、しっかりと保湿ケアを行うことが対策になりますし、乳児脂漏性湿疹の場合は医療機関を受診することが最も最短での完治につながります。
お肌のトラブルというのは治れば終わりというわけではなく、日々のスキンケアを怠れば新たなトラブルが起こりやすくなります。
毎日コツコツと行うスキンケアは新たな肌トラブルの予防につながりますし、子供のお肌を健やかな状態に保つことにもなります。
赤ちゃんの頭皮に起こりやすい乳児湿疹の種類、その原因や症状、対策を知ることでお子様を頭皮トラブルから守ってあげましょう。
提供:株式会社SANSHIN