公開日時:2026年9月3日 最終更新日:2026/08/13
おもちゃの貸し借り|子どもに教えたいコミュニケーションの基本

公園や児童館、保育園などで他のお子さんと遊ぶようになると、おもちゃの貸し借りをめぐるトラブルに直面する場面が出てきます。「貸して」と言えずに泣いてしまったり、逆に「イヤ」と貸すのを拒んだりする様子に、どう対応すればいいのか悩む保護者も多いのではないでしょうか。
今回は、子どもがおもちゃの貸し借りを通じて学んでいくことと、保護者としての関わり方についてご紹介します。
おもちゃの貸し借りが難しい理由

小さな子どもにとって、おもちゃの貸し借りは決して簡単なことではありません。
特に2〜3歳頃までの子どもは、「今使っているものを手放す」という行為自体に強い抵抗を感じることが多いとされています。
これは、自我が育ってくる発達段階で自然に見られる姿であり、わがままというよりも、「自分のもの」という感覚が芽生えてきた成長のサインと捉えることができます。
年齢による貸し借りの理解度の違い

1〜2歳頃
「貸して」「どうぞ」という言葉のやり取り自体がまだ難しい時期です。
自分の欲求が最優先になりやすく、他の子のおもちゃを取ってしまう、貸すことを拒むといった様子がよく見られます。
2〜3歳頃
言葉でのやり取りが少しずつできるようになる時期ですが、まだ気持ちのコントロールは難しく、貸し借りをめぐってトラブルになることも多い時期です。
4歳以降
相手の気持ちを想像する力が育ってきて、「貸してあげたら喜ぶかな」といった思いやりの気持ちを持てるようになる子が増えてきます。
順番を守る、譲り合うといった行動も、少しずつできるようになっていきます。
保護者としての関わり方の基本

無理に「貸しなさい」と強制しない
貸し借りを無理強いすると、子どもは「自分の気持ちを聞いてもらえない」と感じてしまうことがあります。
まずは「今使いたいんだね」と、子どもの気持ちを受け止めることから始めましょう。
「貸して」「どうぞ」の言葉を伝える
トラブルが起きたときは、「貸してって言ってみようか」「終わったら貸してあげようね」など、具体的な言葉を教えてあげることが助けになります。
繰り返し経験する中で、少しずつ自分で使えるようになっていきます。
気持ちを代弁する
言葉でうまく気持ちを表現できない子どもには、「使いたかったんだね」「悲しかったね」と、大人が気持ちを代弁してあげることで、自分の感情を認識する助けになります。
すぐに解決しようとしすぎない
貸し借りのトラブルは、子ども同士で解決していく経験も大切です。
危険がない範囲であれば、少し様子を見守り、必要なときにサポートするという姿勢も意識してみましょう。
貸し借りのトラブルを防ぐための工夫

事前にルールを共有しておく
お友達と遊ぶ前に、「今日はみんなで使うおもちゃがあるかもしれないね」と、あらかじめ心の準備をさせておくことで、トラブルを減らせることがあります。
タイマーなどを使って順番を分かりやすくする
「あと少ししたら交代しようね」と、具体的な区切りを示すことで、子どもも見通しを持ちやすくなります。
砂時計やタイマーを使って視覚的に伝える方法も効果的です。
特別に大切なおもちゃは持って行かない
どうしても貸したくないほど大切にしているおもちゃがある場合は、外出時には持って行かない、あるいは事前に「これは貸さなくていいよ」と伝えておくという方法もあります。
おもちゃの貸し借りを通じて学べること

一見ネガティブに感じられるおもちゃの貸し借りのトラブルですが、子どもにとっては大切な学びの機会でもあります。
- 自分の気持ちを言葉で伝える力
- 相手の気持ちを想像する力
- 待つこと、我慢すること
- 譲り合い、思いやりの心
こうした力は、一度の経験で身につくものではなく、日々の小さなやり取りを積み重ねる中で、少しずつ育っていくものです。
おもちゃの貸し借りに関するよくある質問

うちの子だけ貸せないのが心配です
貸し借りが苦手なこと自体は、多くの子どもに見られる自然な発達段階です。
無理に貸すことを教え込もうとせず、繰り返し経験を積む中で少しずつできるようになっていくことがほとんどです。焦らず見守っていきましょう。
相手の子におもちゃを取られてしまったときはどうする?
まずは自分の子どもの気持ちに寄り添いながら、状況に応じて相手の保護者と協力して対応しましょう。
「順番に使おうね」と、両方の子どもに分かりやすく伝えることで、円満に解決できることも多いです。
保育園や児童館で毎回トラブルになってしまいます
集団の中でのトラブルは、成長の過程で誰もが経験するものです。
園の先生や施設のスタッフとも情報を共有し、家庭と園、両方で一貫した関わり方を心がけると、子どもも安心して学んでいきやすくなります。
保育園・幼稚園での貸し借りのルール

多くの保育園や幼稚園では、おもちゃの貸し借りについて、園独自のルールや声かけの方法を設けています。
家庭でも同じような声かけを意識することで、子どもが混乱せずにルールを理解しやすくなります。
園の先生に、普段どのような声かけをしているか聞いてみるのもよい方法です。
兄弟姉妹間での貸し借りの特徴

きょうだい間では、他人同士よりも貸し借りのハードルが低くなる一方、逆に遠慮のなさから、より激しいトラブルに発展することもあります。
きょうだい間の貸し借りについても、それぞれの気持ちを尊重しながら、根気強く声かけを続けていくことが大切です。
貸し借りの練習になる遊び方

順番交代が必要なすごろくやボードゲームなど、ルールのある遊びを通じて、待つことや順番を守ることを自然に学べる機会を作ることもできます。
遊びを通じた経験の積み重ねが、実際のおもちゃの貸し借りの場面にも生きてきます。
焦らず見守る姿勢の大切さ

貸し借りが上手にできるようになるまでには、時間がかかることがほとんどです。
「まだできない」と焦るのではなく、日々の小さな成長を認めながら、長い目で見守っていく姿勢を大切にしましょう。
貸し借りが苦手な理由を理解する

おもちゃを貸せない背景には、単なるわがままではなく、「まだ十分に遊べていない」「独占したい気持ちが強い」など、その子なりの理由があります。
理由を頭ごなしに否定せず、「もう少し遊んでからでいいよ」と、時間を区切って提案する対応も効果的です。
貸し借りの経験を家庭内で積む

きょうだいや親子でのごっこ遊びを通じて、「貸して」「どうぞ」のやり取りを日常的に経験しておくことで、実際の場面でも自然と言葉が出やすくなることがあります。
遊びの中で繰り返し練習する機会を作ってみましょう。
おもちゃを介さない遊びの提案

貸し借りのトラブルが頻発する場合、一時的におもちゃを介さない遊び(かけっこ、歌遊びなど)を提案することで、トラブルを避けながら一緒に遊ぶ楽しさを経験させる方法もあります。
状況に応じて、遊びの種類を工夫してみてください。
貸し借りの練習を通じた自己主張の大切さ

貸し借りは「譲る」ことだけでなく、自分の気持ちをきちんと主張することも大切な学びです。
「今は貸せない」と伝えることも、自己表現のひとつとして尊重しながら、譲り合いとのバランスを教えていきましょう。
SNS・育児コミュニティでの情報収集

おもちゃの貸し借りに関する悩みは、多くの保護者が経験するテーマのため、SNSや育児コミュニティで情報交換をしている方も多くいます。
他の家庭の対応方法を知ることで、新しいヒントが得られることもあります。
ただし、すべてを鵜呑みにせず、自分の子どもに合った方法を選んで取り入れることが大切です。
貸し借りが上手にできたときの喜びを共有する

貸し借りがうまくできた瞬間は、子どもにとっても大きな成長の証です。
「貸してあげられたね、優しいね」と、その場でしっかり褒めてあげることで、ポジティブな経験として記憶に残りやすくなります。
小さな成功体験の積み重ねを、大切にしていきましょう。
子どもの成長を、一番近くで見守れることに感謝しながら向き合っていってください。
貸し借りのトラブルを未然に防ぐ声かけ例

遊びの前に「みんなで使うおもちゃもあるからね」と一言添えておくだけでも、子どもの心構えが変わることがあります。
日頃からの小さな声かけの積み重ねが、トラブルの予防につながります。
子どもが安心して自分の気持ちを表現できる雰囲気づくりも、あわせて意識してみてください。
貸し借りが苦手な時期の遊び場選び

おもちゃの共有が必須になる遊び場よりも、個々に遊べるスペースが確保された場所を選ぶことで、トラブルを減らせることもあります。
子どもの様子に合わせて、遊び場を選ぶ工夫も取り入れてみてください。
貸し借りに関する絵本の活用

「貸して」「どうぞ」をテーマにした絵本を活用することで、実際の場面を疑似体験しながら、貸し借りのやり取りを自然に学ぶことができます。
読み聞かせと組み合わせて取り入れてみてください。
貸し借りができたときのごほうび設定

無理にごほうびに頼りすぎる必要はありませんが、頑張りを認める言葉やシールなど、小さな工夫を取り入れることで、子どものやる気を後押しすることができます。
まとめ

おもちゃの貸し借りは、小さな子どもにとって簡単なことではなく、年齢に応じて理解度も異なります。
無理に貸すことを強制せず、気持ちを受け止めながら、「貸して」「どうぞ」の言葉を少しずつ教えていくことが大切です。
トラブルを通じて、子どもは自分の気持ちの伝え方や、相手への思いやりを学んでいきます。長い目で見守りながら、成長を支えていきましょう。
提供:株式会社SANSHIN
















